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バイロイト音楽祭-ニュルンベルクのマイスタージンガー② [オペラ(海外)]

 カテリーナの演出の評判が今一つといわれているマイスタージンガーを、最後にもう一度観た。ハンス・ザックスをネガティヴにとらえる演出は、ワーグナー家の人間だから許されることなのかと思うほど意外だった。
 きまじめなベックメッサーが2幕最後の大混乱の中で、何かに目覚め新しい創造者になる。上着を脱ぎ捨て、黒いTシャツの胸にBeckと書く。3幕ではまず、ザックスが過去の芸術家たちから非難をあびる。ザックスだけ1幕始めから裸足だ。ベックメッサーは黒い靴から白いスニーカーにはきかえ、ヴァルターは逆にスニーカーから保守的な黒靴にはきかえる。
 3幕ザックスとベックメッサーの動きは何だかよく分からないが、指揮者・合唱指揮・演出家が燃やされた後、歌合戦でベックメッサーはその土灰?(土くれ)からアダムとイブを創造する。ヴァルターは書き割りと王子様とお姫様に象徴される古臭い歌を歌う。結局民衆から賞賛されるのはヴァルターなのだが、ザックスから仲間の象徴?(鹿の人形)を渡されようとすると拒否して退場、エーファとポークナーとともに舞台上には戻ってこない。
 ここから先ザックスの大演説となるわけだが、これがなかなか怖い。直立不動で手を振り上げて熱弁を振るう。この辺がドイツ人の拒否反応を呼ぶのか?
 照明はだんだんザックスに絞られ、両側に巨大な像が出現し、異変を嗅ぎ取り隅に逃げていたベックメッサーはザックスのそばに寄り、正気かどうか確かめるのだが反応が無く、結局ベックメッサーも舞台から去る。
 最後の大合唱で、舞台が真っ暗な中、ザックスの無表情な顔の下から照明が当たっているが、幕が下りる寸前でニヤリと笑う。(ここが一番怖い)というお話だと理解したが・・・
 カタリーナはこれまでのバイロイトを改革していくということを言いたいわけで、カーテンコールでどんなにブーが出ようとすべて想定内「ありがとう」とお辞儀をする。一つ気付いたのは、客席にブラボー要員がいたことだ。この人たちは、それが任務とはっきりわかった。
 それと3幕開始前、ヴァルター役フリッツが不調だががんばって歌う、ダメな場合は口パク(演技だけで歌は袖からカバーが歌う)という説明があったが、ともかく最後まで歌い切った。(G)
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