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土肥 敬 チェロリサイタル  ルーテル市ヶ谷 [コンサート]

 前回のリサイタルは聴けなかったので、何年ぶりになるのか、いつも氏が訴える苦悩の方に感情移入してしまうが、今回は、何か達観したのかと思わせる、メッセージのある音楽を聴くことができたと思う。ベートーヴェンは、特にロマンティックで個性的だった。ちょっしたフレーズがとても自然に流れ、音の色や動きが私には心地良かった。思いがけない音色に、ソリストとしての思いの深さを感じる。
 今、多くの人が自分の将来を冷めた目で見ており、原発については大きな力に身を委るしかない。震災以来、音楽家も仕事のキャンセルが続いた一方で、めったにない静かに思想する時間を手にした場合もあると思う。仕事を離れ、心行くまでリサイタルの準備をできたと伺い、そうして深く作品と向かい合った時間が、熟考から円熟へと演奏家を導き、名曲の魅力をたっぷり聴衆に届ける機会を作ってくれたのかもしれない。(G)
バッハ:無伴奏組曲4番変ホ長調BWV1011
ベートーヴェン:チェロソナタ3番イ長調Op.69
ブルッフ:コル・ニドライOp.47
フォーレ:チェロソナタ1番二短調Op.109
ピアノ:木村徹 

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