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横坂 源 オペラシティ・リサイタルシリーズ B→C [コンサート]

 横坂さんのドボコンの演奏をテレビで見て、子供のころからすごく活躍をしている若者だと知り、リサイタルを聴きに行った。
 すごい迫力で、バッハ4番では、かつてのマイスキーを思い出した。貸与されている楽器は、軽めのカリッとした音で、あまりに激しい弾き方は、この楽器にはそぐわないような感じがした。アルペッジョーネも力強く、躍動感があって、とにかく音楽の勢いが素晴らしい。聴衆を惹きつける華やさが常にある。プロコフィエフでは、松脂が飛び散る様子が、黒いピアノをバックに見て取れた。その昔シュタルケルのコダーイの録音で松脂が飛びちる音がすると言われたのは、こういうことなのかなと思う。勢い余って、弓が楽器の角にぶつかり、表板の表面が5cm位ぼろっと剥がれ落ちた。横坂さんの演奏なら、もう少し分厚い音のする逞しい楽器の方が安心して聴けそうだ。名器返却後、どのような楽器を選ぶのか興味深い。
 チェリストの先生方もかなり聴きに来られていた。熱心なファンは年配の方が多く、子供のころからずっと応援しているという話し声も聞こえてきた。
 いろいろなタイプのチェリストが居るが、横坂さんの魅力は、音色に没頭するタイプとは違い、何か余裕があり、音楽を自在に操り、何事も踏み越え突き進んでいくような、不屈のエネルギーを感じるところだ。アンコールは穏やかに歌う音楽で、やっとこの楽器に相応しい加圧で、心地よく楽器が鳴っており、ほっとした。
 音楽の魅力の一つは、やはりエネルギーだと再確認した。まだまだ余裕の横坂さん、チェロを通して、いろいろな音楽の可能性を具現して行ってくれそうな予感がする。(G)
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