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静嘉堂文庫美術館ー国宝 曜変天目と名物茶碗 [美術・博物館]

 二子玉川にある静嘉堂は、三菱の岩崎彌之助父子によって設立され、国宝を7点収蔵している。今、世界に3点しか残っていないという12~13世紀宋時代の曜変天目が展示されているということで、見に行った。この曜変天目は他の茶碗と全く違っていた。黒い夜空に光る流星群のような模様は、まさに宇宙だ。この斑紋は、焼く過程でいつ火を止めるかという、数十秒の間に、釉薬が反応して偶然起こった奇跡なのだ。
 宋時代の茶碗が黒い理由として、当時、白いお茶の泡立ちを楽しみ、泡が消えないよう時間を競う遊びもあったそうだ。16世紀になると、日本からの注文で茶碗が焼かれたり、朝鮮の日用の器を茶碗に見立てたりと、侘び寂びの世界が生まれた。桃山時代になると、千利休の命で長次郎が楽焼を興す。和物茶碗の始まりだ。
 展示は約80点、圧巻だ。所蔵茶碗は200点を超えるらしい。畠山美術館に月一回行くようになり、茶器や書を見る機会が増えたが、これほどのたくさんの見事な茶碗を見たのは初めての経験だ。
 曜変天目は、異国の情緒が漂う作品で、やはり他の名器とは別世界のものだ。ねっとりした黒い地に藍や緑に輝く部分と、螺鈿のように白く紅がかって光る紋様と、見れば見るほど本当に不思議な貴い茶碗だ。
http://www.seikado.or.jp/sub030101.htm 静嘉堂文庫美術館 曜変天目
http://habc123.hp.infoseek.co.jp/tenten.html 曜変天目 写真


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