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「西部の娘」オペラトーク [オペラ(国内)]

 朝7時から地元でチケットぴあに並び、マダムバタフライの当日券の手配をしてから、新国立のオペラトークに向かった。
 ノヴォ氏開口一番「西部の娘」はイタリア語カウボーイオペラでは無いとのこと。ハリウッド映画の西部劇が流行したのは、ずっと時代が下ってからで、この作品が出来た1910年、初演時のテーマは「移民」。限られた狭い社会の中、よそ物としての孤独感や郷愁の念を抱いて生きる人々がテーマだ。
 演出家ホモキ氏曰く、故郷を離れて生活する人々の心のうちは、今日にも通じるテーマであると。指揮者はシルマー氏、この作品はプッチーニの中でも異質な音楽スタイルで、R.シュトラウスのサロメ、ドビュッシー、シェーンベルクの影響が見られるらしい。楽器の奏法も新しく、ハープの弦に紙を巻き、紙をはじく音を使ったり、フォニカという今は無いバンジョーオーケストラの楽器も入っているそうだ。今回この音は電子音で再現している。
 指揮者曰く、時にシンフォニーのように音楽が主体で歌手が映画俳優のような場面もあると言うが、演出家は、ロマンチックな会話は、あくまで、レスタティーヴォであり、オケは伴奏であるという。そこでノヴォ氏、一度目は舞台を、二度目は音楽を主体に、二度観てほしいとうまくまとめた。
 実際、Schirmer氏がピアノの弾き歌いをしてくれたが、ミュージカルを連想させる音楽もあり、歌が音楽に関係なく、指揮者の棒のみを頼りに進むという点を強調していたことを鑑みると、Homoki氏の話は映画の場面とバック音楽との関係が見られるということなのだろうか。今年のテーマ「別れの運命」の中での位置づけでのプロダクション、実際観るのが楽しみだ。(G)


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