チョン・ミョンフン・モーツァルト/レクイエム [コンサート]
今日は、同じ初台で新国・フィデリオの初日もあるのだが、今回貴重なチケットを頂いてしまい、隣のオペラシティへ行って来た。ちなみにオケは今度も両方とも東フィルである。
私が一番感じたことは、音が綺麗なのに、どういわけか音色が暗いなあということだ。天を突き抜けるような勢いもない、重力のままに、音が降りてくる。たまたま今自分が透明感のある音を欲していただけなのかもしれないが、モーツアルトは曲より音を楽しみたい。(G)
オペラシティ周辺は、すっかりクリスマスの装いである。
前半のジュピターは繰り返しを全て演奏し、トータルで40分になろうとする堂々たるモーツァルトだった。4楽章を巨大で壮麗に決めてくれた。
レクイエムは、最近の古楽的アプローチとは一線を画する、まさに巨匠的スケールの演奏。最弱音からffまで幅広いダイナミックレンジと、緩急自在なテンポを、決して大きくない弦12型のオケから引き出した。
合唱がまた素晴らしかった。こちらも大人数とは言えない編成だが、聴き所はきっちり決めてくれた。チョン氏は暗譜で指揮棒を持たず、大きな身振りで音楽を表現する。後姿からオーラが漂っている。(B)
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