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ベルリンフィル-ラトル・内田光子② [コンサート]

 内田光子さんのベートーヴェンは、4番もまた素晴らしかった。1日目は舞台裏、2日目はCブロック席で聴いたが、やはりピアノは表側の席が断然響きが美しい。
 皇帝の時はAブロックだったので、とても間近に音の粒ひとつずつの表情が伝わってきた。舞台から離れてもホールの空気を振動させる音楽の響きの変化は届いてくる。
 ベルリンフィルのTuttiもpppからffまで贅沢に豊かな音で、ピアノとの受け渡しは気付かないほど自然で、まるでこの作品を一つの楽器で演奏しているように、ピアノもオーケストラも、本当に美しく溶け合っていた。
 楽しみににしていたラトルのシベ2は、前へ前へと流れていきながら、pppを強調して大きな波を作り、最高潮に達するドラマチックな演奏だった。指揮は暗譜で、細かくは振らず、盛り上がるとことの切っ掛けを与えた後はコンマスにお任せし、頂点でラトルが全身で棒を振るというような見せる指揮ぶりだった。
 アマチュアにとっては魔の三楽章は、一糸乱れぬ見事な演奏で、本当に音の粒が聞えるのには驚いた。個性を抑えまとまった演奏をし、100人の心が一つになって聞かせるオーケストラは他には無いと思う。音に全く濁りがないので、聴くたびに、体の中の血液が浄化されるような感じがする。
 普段は、みんな普通の人なのだろうかと不思議に思うほど、どんな要求にも応えられるテクニックの凄さは世界一、少なくとも私の聞いた範囲でヨーロッパでは比類ないものだと改めて感じた。(G)
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