無伴奏チェロに挑む Y.Okamoto（岡本侑也）

　すごい無伴奏チェロの演奏を聴いた。このプログラムをすべて暗譜で弾いた若者がいる。
　　　バッハ　無伴奏チェロ組曲第３番ハ長調BWV１００９
　　　カサド　無伴奏チェロ組曲
　　　レーガー無伴奏組曲第二番
　　　パガニーニ　カプリースから２４番　（ヨ－ヨ－マ版）
　パガニーニのカプリースはシュタルケル版もあるそうだが、あのヨーヨーマのＶｎの譜面をチェロの生演奏で聴くのは初めてだった。しかも曲芸ではなく、音楽的にメロディッシュに聴かせてくれた。
　流れるバッハ、情熱のカサド、哲学のレーガー、そしてテクニックのパガニーニ、とても自然で人を包み込むような、温かみのある演奏だ。はにかんだ姿と奏でる音楽とのギャップが、測り知れない未来を予感させる。この日、この場に居合わせた幸せを感じた。会場はムジク・ピアフォーヌという美しい地下ホール。感動をありがとう。彼はまだ中学生。（Ｇ）