パリ管弦楽団ーブルックナー6番 [コンサート]
サル・プレイユのバルコン2階、一番安い席で聴いた。パリ管は素晴らしい。当たり前だが、世界的なオケだと思った。昔から金管に定評があるが、ブルックナー6番ではホルンもペットも皆堂々たる態度で余裕を見せていた。特にホルンは素晴らしい。
指揮はMarek Janowiski で、ドイツのオケのようにがんがん弾かせ、吹かせるのだが、出てくる音は透明なのだ。ブルックナーの転調で光が差し込むようなイメージは、フランスの音にも合っているかもしれない。ドイツ風「ため」など全くなく、美しく淡々と流れていく、また別のブルックナーだと思う。
一曲目のモーツァルト Serenata notturna、初めからコンマスのVnソロが美しく、ホールの端まで音が飛んでくる。二曲目、Henrpi Dutilleux の組曲はソプラノの声が音楽に溶け込んでいて良い曲だった。かなりご老体の作曲家本人が来ていた。初演は2003年ベルリンフィルとのこと。
本題からはそれるが、今日はっきり確認した。チケットの割引は25歳以下、65歳以上、失業者、それに詩人!(自称芸術家)ということだ。当日券を買いにいったら、あっちへ並べと言われた。そうか、次回は何か芸術家っぽい身分証明書を偽造してこようか。
開演前、馬鹿らしいハプニングがあった。指揮者が出てきているのに、舞台裏の席で、まだ着席できない老夫婦がいる。座っている人に自分の席だからどけと言っているらしい。押し問答を観客全員が注視していた。らちがあかず、一人男性が立ち上がり、通路に座ってやっと落ち着いた。その間、拍手が二度起こり、音楽をはじめてくれという声も上がった。舞台裏の席には案内人を置いていないのが原因だ。席が分かりにくいのだから、もっと早く開場すればよいと思う。皆なかなか席に付かないので、こういう事態が起きるのだ。
でもサル・プレイユを私は気に入った。音が良く、窓口の人が特に親切で、感じがよい。席もゆったりしていて落ち着く。バルコン席は特におすすめだ。 (G)
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