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大野和士-オペラ・ハウスの芸術運営と創作過程 [講演会]

 モネ劇場音楽監督、大野さんの講演会に行ってきた。
 大野さんの人間性全てを賭けて、音楽に向かい合っているのだと強く感じた。芸術家は自らが創造したものに対し、第三者(聴衆、観衆等)の賛同を得て初めて、認められるものだ。そのためには表現力、説得力がものを言う。まして、オペラプロダクションは人間集団相手であり、コミニュケーションの良さが成功につながるのだと感じた。作品や言語を理解するだけでなく、音楽の隅から隅まで手の内に入れ、そこに表現されている人間の感情を理解し、言葉で説明し、歌手を説得せねばならない。
 勉強不足、不熱心な歌手の個人指導を懇切丁寧にするという話は聞いたことがあったが、その根気がないと、とても100人以上の芸術家集団を取りまとめることができないのだろう。パリのオケのストで楽譜を小編成に書き換えた熱意も、音楽を天職だと感じ、湧き上がる才能がある証拠だ。何の躊躇もなく全人生を音楽に捧げて、十分楽しんでいるようだ。そのため、余計な苦労はしょいこまない姿勢も伺える。
 後半ワークショップでは、歌手にとっては指揮者は眼中に無いという現実も良く分かった。基本的には、主役は俺(私)なのだから、自分に合わせろということ。オペラ指揮者は本当に大変だ。
 モネ劇場では、有名歌手を呼ぶより、新人を発掘し、共に、プロダクションを造っていける歌手を望んでいる。自分の思う方向に人や集団を引っぱっていける天性の信頼感があり、誰からも愛され、警戒心を与えない雰囲気が成功にプラスの要素となっているように思った。何より人間的魅力のある人だと感じた。(G)


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