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二期会-さまよえるオランダ人 [オペラ(国内)]

 実は上野に来たのはこちらが主目的。4回公演の3回目、今回Aキャストとのことだが、歌手・演出とも不満が残った。
 救済の場面の無い初演版なのは序曲で分かるし、簡素な舞台装置と、序曲の途中から舞台上では何か始まっており、その後の演出には期待を抱かされた。ハノーファーとの共同制作で、現代ドイツ中堅劇場得意のひねった解釈があるのかと思って見ていたが、特に何も無く平凡な演出だった。
 歌手は、ダーラント長谷川さんが音程が定まらず、散々な出来。新国ハーゲンの名唱はどうなってしまったのか?
 肝心のオランダ人も殆ど声が飛ばず、高音は息も絶え絶え。ただ棒立ちで歌うだけで、苦悩も孤独も何も表現できていない。黒のコートを着ている時はホームレスのおじさん、脱いだらグレーの人民服のようなものを着ていて、怪しい中国人にしか見えない。男声低音ふたりがこれではオランダ人にならない。
 ゼンタ役のエヴァ・ヨハンソンは素晴らしかった。凄い存在感、重唱の時のオランダ人が哀れなほどだった。エリックも不安定なところはあったが、声量と真剣さで聞かせた。
 水夫の合唱はなかなか迫力で良かったが、演技ができていない。それと、オランダ船の合唱は、録音か?ドイツの田舎の劇場なら人数の関係でしかたが無いが、天下の二期会がこれでいいのか?
 オケは安全運転といったところか。ワールトは家にあるCD(リング、トリスタン、パルジファルをオケ版に編曲したもの)では、もっと盛大に鳴らしているのだが・・。(B)


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コメント 2

pontormo

私も昨日上野にいました。全く同感です。中途半端で意味不明の演出。
オランダ人の絶不調。オケも安全運転なだけ。救いはヨハンソンだけでした。直前に文化会館に行く前に立ち寄った国立博物館の「北斎展」が素晴らしかったのでまあ、田舎から出てきた価値はあったでしょうか……。
by pontormo (2005-11-06 09:27) 

Ginger

個々の歌手の問題もありますが、練習不足なのか、全体に練れていない舞台ですよね。来週の飯守シティフィル・パルジファルに期待します。(B)
by Ginger (2005-11-06 09:39) 

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