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ヨーヨー・マ バッハ無伴奏組曲全曲web配信(Live Memorial and Tribute: Yo-Yo plays Bach ) [ネット配信]

 新型コロナウィルス大流行の中、ヨーヨー・マ演奏による犠牲者の追悼を祈念し、医療従事者に感謝し、人々を励ます、ボストンからのweb配信があった。
 日本時間で早朝4:00、我が家は平常の起床時間で、最初から見ることができた。正直素晴らしかった。氏の人間愛を感じる。
 氏の休憩無しのバッハ全曲演奏は、ちょうど一年前ウィーンムジークフェラインで聴いていた。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2019-05-29
 その時の印象では、音楽がとても高貴でさらさら流れ、曲毎の拍手も静止するほど没頭していて、聴衆と音楽を共有するというより、教会の祈りのように、高いところから、下々の者へ降り注ぐ恩寵のような感じだった。ところが、今日の音楽は違ってた。1番のプレリュードを弾きはじめると、意外とテンポが遅く、丁寧に語るように、また言葉を噛み締めるように弾いている。これだと多分途中で、休憩か中断があるだろうと思っていると、中断というより、時折本人によるちょっとした曲の解説が入った。
 バッハ無伴奏6曲とも人の自然な感情をよく表現していると私は感じる。穏やかな喜怒哀楽から、神と自然に対する畏れと感謝のような素直な気持ちを共有できる。
 Tribute…コロナ禍の中でのあらゆる立場の人の気持ちに寄り添い、語りかけ、励ます、温かく力強い演奏だった。作品の後半に行くに従って、人生の苦しみがあらわになってくる(5番)が、苦難を乗り越え、最後まで、救われるよう精一杯努力すること(6番)、それを目指すのが人生なのだというメッセージを私は受け取った。
 私個人としても、この6曲には若い頃からの人生の様々な記憶が潜んおり、サンルームでバッハを弾く老後の自分の姿を若い頃からイメージしてきた。今日しみじみと思うことは、いつか認知症になるまでバッハとともに在りたいと願う。
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