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モルゴーア・クァルテット第49回定期演奏会 [コンサート]

 ショスタコーヴィッチではない、ロシアプログラム。全席自由のため、今回は開場一時間前に到着。かぶりつきで聴くことができた。
 モルゴーアとしては珍しく、調性のある楽曲ばかりで、めったに聴くことのない、美しい音色だった。Vnの二人の先生は本当に素晴らしい。溶け合った音色、際立つテクニック、しかも心から楽しんで、没入している姿は、客席を巻き込み、心の若さを持つことを教えてもらった気がする。
 初めて聴く曲ばかりで、若いころの作品であるラフマニノフの二楽章は、何とも不思議な感じがする。タネーエフの名は初めて聞くが、チャイコフスキーのピアノコンチェルト一番を初演した人で、多くの著名ピアニストの師である。ボロディンは化学者であり、30歳ごろから作曲を習ったとのこと。優雅でソフトな音楽は育ちの良さにも関係あるのかと想像してしまう。
 荒井先生が作品も楽譜も探して来られるらしいが、なるほど、プログラムの記載のとおり、これぞモルゴーアという、楽しい演奏会だった。
 最後の荒井先生のお話の中で、モルゴーアが小野先生指揮で、2/2福島でベートーヴェンのトリプルコンチェルトを演奏されるという宣伝があった。

出演
モルゴーア・クァルテット
第1ヴァイオリン:荒井英治、第2ヴァイオリン:戸澤哲夫、
ヴィオラ:小野富士、チェロ:藤森亮一
曲目
ラフマニノフ:弦楽四重奏曲第2番 ニ短調
タネーエフ:弦楽四重奏曲第3番 ニ短調 op.7
ボロディン:弦楽四重奏曲第1番 イ長調
東京文化会館小ホール
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―芸劇ブランチコンサートー名曲リサイタル・サロン 第5回「岡本侑也」 [コンサート]

 東京芸術劇場で平日の11時から約1時間、岡本さんのソロコンサートを聴いた。座席は1、2階席中央を使っているようだ。残響が素晴らしく、バッハは特に教会のに居るように美しく響いていた。バッハの後、インタヴューがあり、演奏者に日常の様子を尋ね、お客さんが親近感を抱くように導かれる。
 コダーイの演奏が、また凄かった。昔は難曲をガリガリ弾くイメージの曲だったが、岡本さんは何を弾いても美しい。まるで、作曲家の意図するところを一つ一つ私たちに示してくれているようだ。
 ここ約1年間、岡本さんのソロや、ピアノとのデュオは聴く機会がなかったが、この間に、変わったなと思うのは、精神的解放感と大胆さが感じられることだ。繊細さ、完璧さに加え、シュテッケル先生の良い影響を受けている感じがする。
 作品中の音の数だけ、きっと音色を創ることができ、音の勢いの中にも色彩感が備わっていて、このように、溢れでるものを音にし、それを音楽として自由自在に語れる演奏家は、そんなには居ないのではないかと、先週のリリアでの演奏を聴いて以来、驚嘆している。ミュンヘンでは中国人と韓国人とトリオを組んでおり、どんな響きなのか聴いてみたい。
 昼間の1時間のコンサートに行くことは、殆ど無かったが、テーマを絞って作品への理解を深める良い機会だと思う。勿論演奏者によるとは思うが、弾きたい曲を思いっきり演奏できる機会であるなら、ランチコンサートは良い流れかもしれないと気が付いた。

曲目J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調 BWV.1007
カザルス/鳥の歌
コダーイ/無伴奏チェロ・ソナタ op.8 出演チェロ:岡本侑也
ナビゲーター:八塩圭子
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リリアの室内楽ー辻彩奈Vn 岡本侑也Vc 大須賀恵里Pf [コンサート]

 川口リリアは来年で開館30年とのこと。メインホールにも音楽ホールにも一度は来たことがあると思うが、記憶が定かではない。音楽ホールの舞台正面にパイプオルガン、船のようにも見え、天井と壁面が木の茶色に統一された少し暗めのデザインが、落ち着いた空気を醸し出している。
 大須賀さんがプロデュースする室内楽シリーズの演奏会とのこと。以前岡本さんとのブラームスピアノ四重奏を聴いたことがあるが、この日は若い二人のゲストの伴奏役、パーソナリティとして話し方も穏やかで、弾きたい曲を演奏してもらおうという、若さへの優しさと、理解の深さを感じる。
 一曲目、「魔王」の一人弾きとでもいおうか、原曲に劣らぬ迫力で、悪魔の甘いささやきも、子供の絶叫も、ここまで声色のような表現ができるのかと驚いた。
 岡本さんのプーランクは、技術が突出しているからこそ表現できる、多彩なチェロの音色が美しい。チェロという楽器のもつ音の不思議を眼前に示してくれる。チェロの未来を拓くとは、こういう音を言うのだろうか。
 アンコールはベートーヴェンの生誕250年に聴く最初の曲、ピアノトリオ4番「街の歌」2楽章。岡本さんのタブレット楽譜についてのインタヴューもあり、いろんな色で書き込みも出来て、使いやすいようだ。
 たくさん紙の楽譜を持ち歩くのは重たいので、タブレットの楽譜は益々改良されていくだろう。個人的には、拡大しながら奏者の視線を追って改ページしてくれるような機能が付いたらいいなと思う。
 次の岡本さんの演奏会は、1月15日(水)午前11時 東京芸術劇場コンサートホール

ー辻彩奈Vn、 岡本侑也Vc、 大須賀恵里Pfー
曲目:エルンスト/シューベルトの「魔王」の主題による大奇想曲(Vn)
   ヘンデル=ハルヴォルセン/パッサカリア(Vn、Vc)
   プーランク/チェロ・ソナタ (Vn, Pf)
   フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調 (Vn, Pf)
   ポッパー/ハンガリー狂詩曲 他(Vc, Pf)
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