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国立新美術館ー ミュシャ展 [美術・博物館]

 友達に誘われ、国立新美術館に、ミュシャ展を見に行った。いつもは乃木坂駅経由で行くが、今回初めて、六本木駅で下車し、正面入口から入った。ちょうど草間彌生さんの展覧会も開催されており、庭の木々は水玉模様の装いだった。題名がさすが「木に登った水玉 2017」とは。
 去年の冬プラハを訪ね、スメタナホールのある市民会館でミュシャの天井画も見た。スラヴ叙事詩は、国民楽派スメタナの交響詩「我が祖国」から着想を得たとウィキペディアにあり、成る程と思う。この巨大な絵画全20作品がチェコ以外で展示されたのは、東京が初めてとのこと。パリ時代、アール・ヌヴォーのポスターも展示されていたが、その華やかさは、スラヴの作品の中でも、ほんのり感じる。戦いの後を描いた作品でも、血は流れず、淡い色調に、苦悩をあえて強調しない静寂を感じる。6mx8mという巨大な絵でも、重苦しさ、圧迫感がほとんどない。民衆一人一人が主役であり、実際村人に昔の衣装を着せ、写真を撮り、キャンバスに描き分けたそうだ。
 春を感じた、幾らか明るい空気の作品は、ミュシャの故郷イヴァンチツェで、チェコ語の聖書を印刷した(15c)題材のものだった。
 絵の中から後世に厳しい眼差しを送る人物、テレビ画面から出て来るように、絵の枠から飛びだす英雄、不思議な遠近感。ミュシャの描く時空から、控えめだが、語り継いでいきたいスラヴ民族の確かな愛国心が伝わって来る。
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シュトゥットガルト歌劇場の新作「地震」オペラについて [講演会]

 「地震」という言葉に敏感になった今日、地震のオペラという題名に反応し、ドイツ文化会館に討論会を聞きに行った。
  これまで、ヨーロッパの歌劇場のインテンダントが、宣伝に来た講演を結構聞きに行ったが、この日のシュトゥットガルト歌劇場は、聴きに来て欲しいとは決して言わなかった。あくまで、ドイツ文化センターの催しであり、日独双方向の同時通訳付き、劇場の経済的苦労にはふれない、創造的な演劇の話しであって、現在制作中という、興味をそそる企画だと思った。
 会場の客席が扇状で、日本のボックス式の椅子の並べ方とは違い、オペラハウスを連想する。二人の演出家として紹介されたのは、インテンダントのWieler 氏(ヨッシ.ヴィーラー)、ドラマトゥルグMarabito氏(セルジオ・モラビト)、舞台美術のViebrock氏(アンナ・フィーブロック)、脚本家のBeyer氏(マルセル・バイアー)、作曲家の細川俊夫氏、読響指揮者でもあるのCambreling氏(シルヴァン・カンブルラン)、司会は森岡実穂さん、それぞれの立場での話が聞けた。この劇場の舞台が先進的であることは、個人的には10年以上前ツァグロセク音楽監督時代からのイメージだったが、今では、現在人の心に響くことをを第一に、劇場に関わる歌手、コーラス、スタッフ、一人一人が芸術激責任を持って、仕事していることが、この劇場の特徴であるとのこと。(Wieler氏の言だったように思う)
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東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.8神々の黄昏 [オペラ(国内)]

 マエストロヤノフスキのリングチクルスが、ついに黄昏まで来た。この4年間で、自分の聞き方も温和になってきたが、N響が厳しい(らしい)ヤノフスキに食いついて行き、破綻しなくなったのは、確かな進歩だと感じる。勿論メンバーは同じではない。今年は、向山さんがチェロ首席を務め、音符が聞きとれる、舞台上の演奏ならではの体感も、ついにここまでクリアになったと思うと嬉しい。3幕で、多少綻びは見えたが、二日目の公演は、さらに期待できるだろう。
 歌手陣の主役二人(*)は、代役として3/29に来日したそうだ。ジークフリートは、かなり緊張ぎみだったが、幕が進むにつれて、少しずつ調子が出てきた。多分二日目目は、もっと堂々と歌ってくれるだろう。ブリュンヒルでデは、一幕では、かん高い絶叫が気になったが二幕以降は落ち着いたように思う。
 二人以外のソリストは、何の不安もなく、違和感なく、ゆっくり楽しませてもらえて、「春祭」の進歩に感謝したい。アルベリヒ、ハーゲン、ヴァルトラウテ、グートルーネも、来日されたゲストの皆さん、それぞれ素晴らしかった。
 客席にはカタリーナが来ていたが、明らかに太り過ぎ。夏までに何とかするのだろうか?
指揮:マレク・ヤノフスキ
*ジークフリート:アーノルド・ベズイエン
グンター:マルクス・アイヒェ
ハーゲン:アイン・アンガー
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
*ブリュンヒルデ:レベッカ・ティーム(4月1日)
        クリスティアーネ・リボール(4月4日)
グートルーネ:レジーネ・ハングラー
ヴァルトラウテ:エリーザベト・クールマン
第1のノルン:金子美香
第2のノルン: 秋本悠希
第3のノルン:藤谷佳奈枝
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:秋本悠希
フロースヒルデ:金子美香
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
映像:田尾下 哲
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