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6人の若獅子が集う 奇跡のチェロ・アンサンブル [コンサート]

 手放しで楽しく、この年齢になり、初めて"年忘れ"の気持ちを体験したコンサートだった。盛りだくさんのプログラムが準備さて、友人たちと幸せな満腹感を共有した。
 辻本さんを聞くのは、カサドコンクール以来だったが、存在感が抜きん出ており、辻本さん無しで、このコンサートはこれほど成功しなかっただろう。若い5人は、皆仲良しなのだろう、気持ちがそろっていて、それぞれに、小林さんの素晴らしいアレンジを楽しんでいるようだった。
 辻本さんのように重厚な音の日本人チェリストは、久しぶりに聞いた気がする。ストラディヴァリも素晴らしいのだろうが、重く中身の詰まった音質が本当に美しく、のびやかで、華のある音楽に、引き込まれた。若者たちは、テクニックや音色、歌いかたもそれぞれに、エンターテイナーのように、かつ純粋に、疲れを知らず、一晩中でも弾き続けてくれそうなエネルギーで熱演してくれた。6人の名手の個性を満喫でき、幸せな今年最後のコンサートとなった。
出演者:
辻本玲(vc)
伊藤悠貴(vc)
小林幸太郎(vc/arr.)
伊東裕(vc)
岡本侑也(vc)
上野通明(vc)
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赤*印 小林さん編曲
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国立劇場「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」第三部 [歌舞伎]

 国立劇場の歌舞伎は多分2回目だが、歌舞伎座に比べて随分質素な感じで、桟敷席や一幕見席は無い。オペラの劇場と比べると奥行が狭い分舞台が真近に見えて、3階の2800円席(下から2番目ランク)でも新国立劇場で言ったら、2階正面のちょっと後ろくらいの感覚でコスパが高い。
 オペラだけでなく歌舞伎も、今回から双眼鏡を使うようにした。すると、オペラ以上に観ることが重要だと気づいた。特に八段目は母娘の踊りの場面で、あまりの上手さに釘付けになった。個人的経験だが、中学まで習っていた日本舞踊の基本型の手(振り)の集合を目の当たりにし、全く意味を理解できないまま、品がつくれず自己嫌悪に陥って、男役に変わり、次第に興味を失っていった記憶がよみがえった。テレビで観るのとは違い、気づかなかったお女形の美しさに魅了された。
 幸四郎といえば、由良之助のイメージだったが、今回の本蔵という渋い役は、親の心を控えめに全身で体現しているようで、この醸し出す雰囲気が、歌舞伎ならではの魅力なのだなぁと思った。
 国立劇場の歌舞伎は、新たな楽しみになりそうな予感あり。
(全段通し上演の第三部)
八段目   道行旅路の嫁入
九段目   山科閑居の場
十段目   天川屋義平内の場
十一段目  高家表門討入りの場
        同  広間の場
        同  奥庭泉水の場
        同  柴部屋本懐焼香の場
        花水橋引揚げの場
(主な配役)
【八段目】
本蔵妻戸無瀬   中 村 魁  春
娘小浪      中 村 児太郎
【九段目】
加古川本蔵    松 本 幸四郎
妻戸無瀬     中 村 魁  春
娘小浪      中 村 児太郎
一力女房お品   中 村 歌女之丞
由良之助妻お石  市 川 笑  也
大星力弥     中 村 錦之助
大星由良之助   中 村 梅  玉
【十段目】
天川屋義平    中 村 歌  六
女房お園     市 川 高麗蔵
大鷲文吾     中 村 松  江
竹森喜多八    坂 東 亀  寿
千崎弥五郎    中 村 種之助
矢間重太郎    中 村 隼  人
丁稚伊吾     澤 村 宗之助
医者太田了竹   松 本 錦  吾
大星由良之助   中 村 梅  玉
【十一段目】
大星由良之助   中 村 梅  玉
大星力弥     中 村 米  吉
寺岡平右衛門   中 村 錦之助
大鷲文吾     中 村 松  江
竹森喜多八    坂 東 亀  寿
千崎弥五郎    中 村 種之助
矢間重太郎    中 村 隼  人
赤垣源蔵     市 川 男  寅
茶道春斎     中 村 玉太郎
矢間喜兵衛    中 村 寿治郎
織部弥次兵衛   嵐    橘三郎
織部安兵衛    澤 村 宗之助
高師泰      市 川 男女蔵
和久半太夫    片 岡 亀  蔵
原郷右衛門    市 川 團  蔵
小林平八郎    尾 上 松  緑
桃井若狭之助   市 川 左團次
                  ほか
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第22回 江副記念財団リクルートスカラシップコンサート [コンサート]

 最後に高木さんのご挨拶があり、今年は初めてソロでなく室内楽の演奏会を企画したこと、北村さんの声かけで、アンコールとして北村さん編曲のブランデンブルグ協奏曲5番が演奏された。本来自分の見せ場だったのだろうか、指揮に回ってしまったが、ピアノのカデンツァが、オルガン演奏のように長く、微笑ましかった。その時々の江副室内楽アンサンブル結成は、常連客としては嬉しい企画だ。
 各プログラムさすが皆さん音が綺麗で、若いのに老成したような演奏だったように思う。もうコンクールで受賞した時点で、若者らしさは完了しているようだ。
 最後のドヴォルザークは有名な曲だけに、私自身とても身近に楽しめた。超特急で、軽やかな演奏と、ちょっと無茶している感じが若者らしく、好感をもてた。やはり、うまくまとめるだけでなく、生気あふれる冒険心、や挑戦する気持ちを若者には感じさせてほしいというのは、年寄りのエゴだろうか。

髙木竜馬(ピアノ)、北村朋幹(ピアノ)、黒川 侑(ヴァイオリン)、弓 新(ヴァイオリン)、岡本侑也(チェロ)、阪田知樹(ピアノ)、山根一仁(ヴァイオリン)城戸かれん(ヴァイオリン)、桑原志織(ピアノ)、坪井夏美(ヴァイオリン)、上野通明(チェロ)、小林海都(ピアノ)、水野優也(チェロ)、毛利文香(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、田村 響(ピアノ)  計16名(敬称略)
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