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新国立劇場ーばらの騎士 [オペラ(国内)]

 新国立劇場で三度目のレパートリー公演。四階で聴いたが、この劇場としては珍しく、当日舞台上のアナウンスで歌手の交代があって開演も10分ほど遅れたが、公演そのものに、悪い影響は何も無かったと思う。
 力の入ったプロダクションだけあって、上手くいって何よりだ。今回の主要な歌手はドイツ語圏の方ばかりで、安心感があり、ビジュアルもはまっていた。日本人も皆よかった。舞台との距離感や、自分の耳のせいなのか、一人一人の個性まで聞き取れず、役柄のイメージを堪能するところまではいかなかったが。女声陣の声は意外と肉付きのよい感じだった。
 指揮はエッセンのオケを厳しくしごいた、ゾルテス。噂によれば、R.シュトラウスは日本人には無理と思っているのか、本番中にも舌打ちされていたとか。
 それと最近の傾向なのか、各幕で音楽が鳴り終わらない、幕も降りきらないのに拍手をする人が少なからずいる。メトロポリタン方式なのか、いずれにせよばらの騎士のような余韻を楽しむ幕切れにふさわしくないと思う。
 作品自体が好きなので、このオーソドックスなプロダクションは、ずっと続けて欲しい。(G)                                                                              
【指揮】シュテファン・ショルテス
【演出】ジョナサン・ミラー
【元帥夫人】アンネ・シュヴァーネヴィルムス
【オックス男爵】ユルゲン・リン
【オクタヴィアン】ステファニー・アタナソフ
【ファーニナル】クレメンス・ウンターライナー
【ゾフィー】アンケ・ブリーゲル
【マリアンネ】田中三佐代
【ヴァルツァッキ】高橋 淳 ⇒ 大野光彦
【アンニーナ】加納悦子
【警部】妻屋秀和
【元帥夫人の執事】大野光彦 ⇒ 加茂下 稔
【ファーニナル家の執事】村上公太
【公証人】晴 雅彦
【料理屋の主人】加茂下 稔
【テノール歌手】水口 聡
【帽子屋】佐藤路子
【動物商】土崎 譲
【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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「ことばを活かすものはなに?」- 日本語とドイツ語の最近の変遷について [講演会]

 ドイツ語と日本語のここ10年の言葉の変遷について、東京ドイツ文化センターで、シンポジウムがあった。
 言葉を変化させるのは、若者のアイデンティティーの主張が一要因であること、また英語を取り込んだ造語が目立つことは、両国共通。ドイツでは、1970年以降の移民で国籍を得た系統が、20%近いらしい。その影響で、母国語とドイツ語が混ざった新語も生まれていると。またドイツに溶け込みたいという思いと、祖国のアイデンティティーの混ざった状態とも考えられる。これは、文法の乱れも引き起こしている。前置詞、冠詞の抜け落ち、時制の混乱、母国語アクセントの特徴が目立つ。
 日本は、若者へのスマホ浸透から、言葉が絵文字になり、そこからさらに連想できる別の言葉が発生したり、地域的に離れており、混じり合うはずの無い方言が、ネット上で混ざったり、方言をアクセサリーのように楽しむこともある。また、終助詞の後に着く「ぴょ~ん」などは、話し手キャラクターを重視するもので、これは昔から、日本語にあるものに似ている。例えば、知らんわい、知らんわ、知らんばい、などの語尾は、全て自分を表す。日本語は自分を指す言葉が色々あるのは、キャラクターを大切にしてきたからとも言える。
 こんな感じの話が、印象に残ったが、言語と方言の区別は難しいようだ。 講演-アイヒンガー教授、定延利之教授 パネルディスカッション 司会者
http://www.goethe.de/ins/jp/ja/tok/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20513101DSC09583.JPGDSC09584.JPG

読売日本交響楽団-ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番「レニングラード」 [コンサート]

 初夏の夕方、ブリヂストン美術館からサントリーホールへ移動、読響の定期のチケットを譲り受け、久しぶりのオケ演奏会だった。

指揮=エイヴィン・グルベルグ・イェンセン
ピアノ=アンドレアス・シュタイアー
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番 ハ長調 作品60「レニングラード」

 レニングラードは若いころ一度だけ弾いたことがあるが、もはやうろ覚え、こんなにエネルギーを要する音楽だったのか。真面目な大音量に、連れ合いはご満悦だった。
 9月のトリスタンのためだけに、上期のみ定期会員になった知人に、4人出合った。同じことをやっている人はもっと居るらしい。恐るべし、ワグネリアン・・(G)
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ブリヂストン美術館-ベスト・オブ・ザ・ベスト [美術・博物館]

 今週一杯でブリヂストン美術館が休館して建て直すと、盛んにニュースが流れるので、行って来た。
 チケットを買うのに、外に30分ほど並んだが、中はそれほど混んでいなかった。ただ、普通の展覧会のように、並んで順番に観るというのではなく、動線が混乱し、客が荷物を持った女性が大半なので、何度ぶつかったか分からない。係員は一人だけで会場案内が役目の様子、中には彫刻を触りながら歩いたり、ひやっとするほど、絵に近づいて、人の間をすり抜けたりする人もいて、最後とは言え野放図状態だった。
 エジプト以前から、20世紀まで、改めて、個人のコレクションとしては、見ごたえがあった。青木繁、藤田嗣治、安井曾太郎は、やはりすごいと思う。個人的には、日本の昔の映像が興味深かった。高村光太郎の動画を見たのは初めてだ。
 全体的に、日本人好みの穏やか目線の絵画が多く、ピカソもシュルレアリズムより前の新古典主義の作品が主だった。3往復して、最後はやはり印象派で、美術館とお別れした。今日は、ロートレックの、無彩色に見える、サーカスの舞台裏が一番印象に残った。(G)
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