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ワールド・ドクターズ・オーケストラ(WDO)東日本大震災 復興支援コンサート [コンサート]

 前日、読響の演奏会を聴きに芸劇に行ったとき、周りを沢山の外国人が名札を下げて歩いていた。そして大ホールの階で、バッタリ知り合いの先生に会い、ワールド・ドクターズ・オーケストラがリハーサルをやっていて、翌日本番だということが分かった。これは応援せねばと、1階のbox officeで尋ねると、前の晩TVニュースで取り上げられ、かなりチケットが売れたとのことで、残席少なく、すぐ購入した。
 この催し自体には、以前から気づいており、ブラームスのドッペルコンチェルトは久しぶりに生で聴きたい思っていたので、縁があって良かった。
 WDOは2008年から世界各国でヴォランティアコンサートを開いており、東日本大震災直後から、日本での開催計画が始動したとのこと。2日前には、いわき市でベト7などが演奏された。コンサート収益は全額寄付される。http://wdojapan.com
 ソリストVn川久保賜紀さん、Vc向山佳絵子さん二人とも、さすがに上手で、ユニゾンもぴったり、余裕をもって弾いていた。三階席なので迫力は届かないが、やはり音が綺麗で、雑音は感じなかった。前日のパク・ヘユンさんとは曲もオケも違うので、単なる印象でしかないが、パクさんの音の方が、力強く飛んで来たと、連れ合いは言う。
 ベト7は良く練習できていた。管楽器に外人が多く、体力があるのだろう、ソロの音が大きい。最後1stVnが聞こえなくなるベト7も、WDOならではだろう。皆さん思う存分演奏されたと思う。
 アンコールの”花は咲く”がとても美しく、成城学園初等学校の合唱団は、心が洗われるような、素晴らしい音程の澄んだ声だった。Vn川久保さんも再登場し、情感をこめて、メロディを演奏し、会場全体の復興を願う気持ちが一つになった気がする。(G)
プログラム:
和田 薫/響画ー弦楽オーケストラのためのー(2002)
ブラームス/ ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92

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読響ーコルンゴルト・ヴァイオリン協奏曲 他 [コンサート]

 連休に何かコンサートは無いかと、連れ合いが「ぶらあぼ」で読響・コルンゴルトVnコンチェルトを見つけ、行ってみることにした。改装になって初めての芸劇、三階席だが、音が柔らかく、癒される響きに聞こえた。耳の老化かもしれないが、この頃刺激に弱くなった。
 自作の三つのハリウッド映画音楽のテーマを、コンチェルトのそでぞれの楽章に採り入れているそうで、その発想には驚いた。コルンゴルトにとっては、映画音楽の方が新しく、その新しいテーマを、古典的なスタイルで共有するのは、何とも先進的だ。後生の人間からすると、クラシックを聞いて、映画音楽を連想するという感覚は、誰でも一度位あると思うが、実際は過去に映画音楽がクラシック採り入れたというのが、正解である。意図的に両者の仕切り取り去ったような、コルンゴルトの発想は、本当に新しく、驚くばかりだ。個人的には、元の映画を知らないので、普通のクラシック音楽として聞こえた。
 コンチェルトのソリストはヨーロッパで勉強した韓国人の若い女性で、ミュンヘン国際コンクールで優勝している。ドイツ音楽財団から楽器を貸与されており、テクニックも華もある女性だ。ブラームスピアノ4重奏のオケ版は、連れ合いの好みだ。(G)

指揮=クリスチャン・ヤルヴィ
ヴァイオリン=パク・ヘユン
ジーン・プリッツカー:「クラウド・アトラス」交響曲から(日本初演)
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ブラームス(シェーンベルク編):ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25(管弦楽版)
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新国立劇場ー死の都 [オペラ(国内)]

 CDを初めて聴いた時の印象は、軽やかな部分のリヒャルトシュトラウスのようで、決して、息苦しくなるような重圧感がなく、さらっと聞けるなと思った。話の筋も音楽も一度ですんなり体に入ってくる優しさがある。一方、強烈に張った声が、これでもかと続く衝撃は、ワーグナーや、プッチーニも連想される。20歳台で多く人の心を掴むオペラを書いたコルンゴルトが、後にハリウッド映画に活躍の場を得るのも、当代の音楽をごく自然に静かに越えて、さらに広い世界で大勢を虜にする、先取りの才能なのだなあと、プーランクと同時代かと思うと、誰に似ているとかでなく、コルンゴルトという新しい作曲家のイメージが、自分の中にできてきた。
 今回のフィンランドのプロダクションはとても美しく、トルステン・ケルルもミーガン・ミラーも絶好調で、まずまずの、連休初日だった。
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新国立劇場 オペラ研修所公演ーナクソス島のアリアドネ [オペラ(国内)]

 休日のイヴェントとして、新国アリアドネに行ってみた。中劇場は久しぶりだったが、約1200席の客席は満員、2階から舞台もオケピットもよく見え、一つお芝居を見終えて、爽やかな印象が残った。
 まず、良かった点は、若い人は演技が上手で、後半の劇中劇は、不安無しに、お芝居を楽しむことができた。プロローグの執事役が、ドイツ人の元歌手だったことは、この上演の価値を上げたと思う。いつだったか、日本人に執事役は難しいと痛感する公演があった。この日のツェルビネッタは賛助の天羽さんで、勿論とても素晴らしかったが、研修生の同役の方はどうだったのだろうか。コメディアン役の男声陣は身のこなしも軽やかで、役をモノにしたという自信が感じられ好感が持てる。アリアドネとバッカスも、ニンフ役の皆さんも、声が良く出ていて、研修生として日本で色々な役を経験してから、世界へ羽ばたける環境ができて、良かったと思う。
 演出も、すんなり受け入れることができた。登場人物一人一人のキャラクターがよく表現され、楽しかった。その結果、お芝居を見たという印象が残ったのだろう。残念ながら、R.シュトラウスらしい音樂の躍動感は、二階の端では味わうことはできなかった。
 休憩時間に、字幕が映るメガネを体験した。テレビのニュースにもなっていたが、実際かけてみると、私には重く感じた。もう一歩先を期待したい。(G)
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