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ルートヴィヒ [映像・放送]

 ルードヴィヒⅡといえば、長大なヴィスコンティの作品イメージが強かったが、もう40年前の映画だった。実際私が見たのはずっと後、ワーグナーを聞くようになってからのことで、2012年製作の映画との時代の差はあまり感じない。ヴィスコンティの描くルードヴィヒⅡ像は、浪費家で大食漢、最新技術を駆使してローエングリンの洞窟を作ったりと具体的だ。言葉はイタリア語だったような気がするが、新作はドイツ語なので、私には身近で想像力が膨らむ。視点も、文化や芸術を通して人々を幸せにするという夢のような構想を持った王、ローエグリンを理想とした王という、ポジティヴな明るさが強調されているようで、馬鹿げた夢というより、理想を求めるロマンティックさが心地よい。批判的視線は強くないので、観客側はストレスを感じずに済む、お楽しみ映画で、映像も風景も綺麗だ。
 監督がローエングリンファンというだけあって、各所に音樂が出てくる。始まるとすぐmein lieber Swanのフォークトみたいな声が聞こえ、どきっとしたり、後の方になると、カウフマンのような張った歌声もあり、詳しい人なら歌手がわかるのかもしれないと思う。アニャ・カンペも一瞬登場し歌っている。
 これからも、何度でも映画化される題材なのだろうが、今回は全てに於いて、刺激が少ない、穏やかで優しい感じに仕上がっているようだ。
監督脚本マリー・ノエル、ピーター・ゼアー
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第19回江副記念財団コンサート [コンサート]

 1990年から94年生まれまで、5人の若い奨学生が、思い思いの曲を20分位ずつ演奏した。最後は、財団卒業生の、ピアニスト田村響さんが特別出演された。
 今年の奨学生岡本侑也さんもミュンヘンから帰国、無伴奏のデュティーユとBUNRAKUを演奏した。紀尾井ホールで岡本さんの演奏を聴くのは初めてなので、どんな音に聞こえるのか楽しみにしていた。今は、ミュンヘンで音楽的な刺激を満喫しているのか、生気が溢れ、精神的にも解き放たれたような、柔軟な身体が印象的だった。弓使いもピッチカートも、左手も、ここまで楽器と一体になるものなのか。特にデュディーユを聴いて、身体が造り出す音は無限にあるのかもしれないと思った。
 1階バルコニー席では、一つ一つの音が良く響き、特に弱音の美しさと表情の繊細さには感嘆した。デュティーユは、とても自然なアピールがあり、前に聞いた時より生き生きした音楽に聞こえるのは、私には例えようがない新しい体験だった。
 バイオリンの二人は、ピアノ伴奏付きの曲だったので、無伴奏のチェロには、逆に聴衆の耳をそばだたせる効果があったかもしれない。ピアニストも一人一人がとても個性的で、6名の若い芸術家の音楽と本番のインスピレーションを楽しめて、色々な演奏家を知る、貴重な機会となった。(G)
●黒川 侑(ヴァイオリン)
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第7番 ハ短調 作品30-2番 ロ短調 作品58
●高木竜馬(ピアノ)
ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調 作品110
●岡本侑也(チェロ)
デュティーユ:ザッハーの名による3つのストローフェ
黛 敏郎:BUNRAKU
●弓 新(ヴァイオリン)
ミヨー:屋根の上の牡牛
モンティ:チャールダーシュ
●北村朋幹(ピアノ)
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調「幻想曲風ソナタ」“月光” 作品27-2
●田村 響(ピアノ)特別出演
ショパン: ワルツ 、スケルツオォ
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 終演後六本木ヒルズのクリスマスマルクトに行ってみた。なかなか良い雰囲気だが、ビールが高い。新宿のやまとで飲み直した。(B)
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ワーグナー生誕 200 年記念懸賞論文・エッセイ授賞式とコンサート [その他]

 ワーグナー生誕 200 年の年も終わりに近づいてきた。ワーグナー協会では、記念の「懸賞論文・エッセイ」を募集し、審査し、日本ワーグナー協会賞受賞者が決まり、表彰式があった。
【論文部門】  ♪岡田安樹浩 (慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程)
         「《ラインの黄金》序奏におけるワーグナーの音響作曲の試み」
【エッセイ部門】  ♪原沢健太(古河電気工業(株)日光事務所)
            「マイスターへの道~地元日光の若者制度に見たツンフトの世界」
         ♪樋口裕一(多摩大学経営情報学部所属)
            「野球とワーグナー」

 来年の協会誌に掲載される。
 その後、小さなコンサートがあり、9月のワーグナー生誕 200 年記念演奏会のカヴァー歌手のお二人が歌ってくれた。ジークリンデカヴァー田中三佐代さん、ブリュンヒルデカヴァー岸七美子さん。以前にもカヴァー歌手の演奏会があったが、こういう機会を提供するのはとてもいいことだと思う。
 秋以降、自分の中でワーグナーを封印してきたが、ワルキューレ一幕と黄昏の最後、ほんの抜粋を聞くだけで、やはり血が騒ぐ。でも、しばらくは距離を置くつもりだ。
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クリスマスコンサート 第59回メサイア演奏会 [コンサート]

 東京女子大のメサイアを応援している方から、チケットをいただき、はじめて演奏を聴いた。毎年クリスマスの時期に演奏会があり、今年で59回目。メサイアは以前、自分のオケで、抜粋を演奏したことはあったが、今回も完全に全曲ではないが、19時から2時間半近くまとめて聴いたのは多分初めてだと思う。
 場所は杉並公会堂、新築されてもう10年以上たつが、満席時の帰りの人の移動が、通勤時間の駅のホーム以上の混雑で、とても驚いた。確か以前本番の時、舞台もそでもとても狭かった記憶がある。1200弱の座席はちょうどよいサイズだが、非常階段のように狭い、二階席への階段、一回への階段ともに、息苦しい。あれで、災害時の避難経路が気になる。一階ロビーのスペースを削っても、今だったら、広い階段スペースをとるだろう。
 会場は満席、オーケストラはプロ、コーラスは女子大の聖歌隊、オラトリオ合唱団、ボランティアで構成され、指揮は、中内潔教授。ソリストへの花束贈呈などなく、神聖な降誕祭の行事という感じだった。最後に会場の人も皆で、賛美歌ときよしこのよるを歌ったが、さすがに、賛美歌を歌える人がいたのかどうか、でも、きよしこのよるでは、男声の美しい声がきこえ、合唱関係者が多数来ていたことがわかった。大学がある限り、継承される行事なのだろう。
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第119回アサヒビールロビーコンサートー弦楽四重奏でロック!by Morgaua Quartet   [コンサート]

 抽選に当たって、モルゴーア・ワールドを堪能してきた。少し前に、朝のBSで放送され、たまたまチャンネルを変える途中で、つい引き込まれた。連れ合いは、何度かコンサートを聴いているが、私は、モルゴーアのロックを聴くのは、初めてだ。
 会場はアサヒビール本社ロビー。ガラスばりで、外界の音を遮断できるわけではないので、前半のショスタコーヴィッチは、音が散って、耳が慣れていないせいもあり、拍手は今ひとつ。カーテンコールへ向かおうとした奏者の足が止まった。
 後半はロック。1Vn荒井先生のお話を聞くと、ロックへのパッションがぐさぐさっと、突き刺さってくる。曲が進むと、会場から歓声も上がるようになり、拍手にも熱がこもっていった。
 結成20年を過ぎたそうで、息もピッタリあい、自ら編曲する荒井先生に応えるメンバーの友情みたいなものを感じ、胸を打たれる。エネルギーを要する楽譜に、弓の毛を切りまくり、指を腫らして淡々と演奏を続けるパワーは凄いものだ。
 休憩時間に、アサヒビールの飲み物が提供され、帰りに聴衆各自が、思い思いの額の入場料を支払い、全額出演者に渡されるシステム。今回は第119回とのこと。近くに夜のスカイツリーも見れて、楽しい夜だった。
ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第7番、 インテルメディオ(林光)
クリムゾン・キングの宮殿(キング・クリムゾン)、悪の教典(エマーソン、レイク&パーマー)
原子心母(ピンクフロイド)、暗黒(キング・クリムゾン)
21世紀のスキッツォイド・マン 
モルゴーア・クァルテット 第1 ヴァイオリン 荒井英治 第2 ヴァイオリン戸澤哲夫 ヴィオラ小野富士 チェロ 藤森亮一
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