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BDLO2日目 [チェロ]

 朝9時からのパート練習(Stimmproben)は、お城内の部屋に分かれて行われ、普通は見学コースになっている綺麗な場所だった。パートによっては豪華な天井画のある部屋だったようだ。Tuttiをするコンサートホールとは地下道でつながっており、お城地下の食堂に直接降りようとすると、なかなかたどり着けない。
 チェロの講師は昨年と同じRaatz氏で、今年も綺麗な音で、周囲を聞くよう、リラックスした音での開放弦のロングトーン、チャイ4のF-dur3オクターブの音階から始まった。
 一楽章の難所も4楽章の難所もゆっくりから合わせ、テンポを上げていくと、合うようになるものだ。弾き方を合わせるところも、オケの常識に違うところはない。
 2楽章冒頭のメロディはできればD線で弾くよう言われた。参加前、私は構わずA線を使って弾いていたが、昨年知り合ったドイツ人の方が今年も参加され、メールでコンタクトをとっていた中で、D線で弾くのかと聞かれ、色々映像を調べたところ、オーケストラスタディにはスルDと書いてあるらしい。ちなみにベルリンフィルの映像では自由(どちらもあり)だった。念のため私もD線でさらって行ったが、ウィーンで10日間楽器にさわらず、現地で初めて借りる楽器で弾くリスクはやはり小さいとは言えなかった。
 午後のTutti2楽章の時、指揮者(チェリスト出身)に冒頭メロディの音が上がったところで音量が下がるのは逆であり、それくらいならA線で弾いたほうが良いと言われ、まるで自分が指摘を受けているような気がした。あっさり、もう諦きらめようとしたのだが、たまたまお茶の時間にRaatz氏(講師)といっしょになり、思わず、スルDで準備してきたが、10日間遊んできて、慣れない楽器でうまく弾けないとぼやくと、あと2日あるから大丈夫だと言われ、それもそうかなと気を取り直した。
 指揮者のチャイ4の説明がとても興味深い。ドイツ音楽ではないので、苦しんだ先に希望は無く、どこまで行っても鬱で、運命から逃れられないと。そして泣きそうな顔で指揮するので、素直にこちらも共感して、そのように弾きたくなるのだ。出だしの金管にも、希望は皆無なので、そんなに華々しくなく、暗めにと指示。すると確かに音色が暗くなる。
 純粋で、格好つけず、ストレートで、とても好ましい指揮者だ。出来なくてもイヤミは言わず、金管には、せいぜい「譜面合ってますか?」まで。Vn、Vlaには、早いパッセージで、「後ろのプルートが遅れる!」と爽やかに、何度も言った。
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