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ベルリン・フィル―ショスタコーヴィチ:交響曲第13番《バビ・ヤール》 [コンサート]

 ベルリンのテーゲル空港に到着し、宿に荷物を置いてから、ポツダマープラッツに着いたのが開演10分前、まあ大丈夫と思い、走って駐車場から大ホールに入ろうとしたが工事中で金網が張ってある。焦って正面に回り飛び込んだら小ホール、大ホールにはまだ人影が見えた。階段を駆けあがり、やっと席が見つかり、汗だくで開演。前半はバルトークのVnコンチェルト1番、ソリストはグルジア出身の、話題の美人ヴァイオリニストLisa Batiashvili(リサ・バティアシュヴィリ)。バルトークが献呈したゲイエルという女流ヴァイオリニストの遺産の中から発見されたという、2楽章の、緩やかな印象の曲。バティアシュヴィリの音は優しく、僅かに表出する激しいパッセージも、優雅さを備えていた。
 後半のバビ・ヤールは、ドイツ語の字幕が出た。隣の女性は、CDの歌詞持参、前のめりで聞いていた。セガンの指揮は見た目が派手で、指揮者の指定なのだろうか、出てくる金管の音が、いわゆるアメリカっぽい、華やかな音だった。バスのソロは、抑揚があり、30人のコーラスは、腹の底からの叫びでなく、音量がよくコントロールされて潤いのある人の声だった。全体的には金管の音色が支配し、華やかで、言うまでもなく、とにかく上手い。どの楽器に音がひきつがれても、オーケストラが一つの楽器のようだと、ベルリンフィルを聴く毎に感心する。最後の弦楽の部分は、美しいだけでなく、昇天するような、微妙な揺れを感じた。昨今では、音楽に激しさより、安らぎを感じる演奏が好まれるような気がするのは、現実の世の中が厳しすぎるせいだろうか。(G)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
ベラ・バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番  ヴァイオリン:リサ・バティアシヴィリ
ディミトリ・ショスタコーヴィチ:交響曲第13番変ロ長調《バビ・ヤール》
ミハイル・ペトレンコ(バス), ベルリン放送合唱団男声合唱, ギース・レーンナールス(Chorus Master)
  今年はショスタコーヴィチ生誕110年ということで、年越しに横浜でモルゴーアカルテットの全曲演奏、2月にドレスデン・シュターツカペレ、ネルソンズで交響曲9番と、特にファンという訳ではないが聞く機会が多い。
 ベルリン到着日の演奏会は、普通なら爆睡となりかねないが、出発の数日前友人の熱狂的ショスタコおたくからの、感想を聞かせて欲しいという緩やかな問掛けに目が覚め、家にある唯一の全集からヤンソンスのCDを聞いた。一体どんな点を観察すれば良いのか尋ねてみると、マニアはこの曲の初演2日後のコンドラシン指揮の録音が原典とし、それと比較して楽しむという。
 早速タワーレコードでそのCDを購入し聴いてみると、意外と綺麗だったヤンソンスと違い、音が重厚で、声も楽器もバス音域が強く響く。淡々と歌う息苦しさと、低音の迫力は、私の中のロシアのイメージに合致して、なるほどと思った。
購入したCD
指揮:キリル・コンドラシン
管弦楽:モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:RSFSR Academic Russian Choir 、 Yurlov Russian Choir
バス:ヴィターリ・グロマトスキー
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