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《ジークフリート》を読む-lachender Tod の意味 [その他]

 池上純一先生のジークフリートテクスト解釈の講座があった。主題は、幕切れのlachender Tod の意味を解きほぐすこと。
 3幕、ヴォータンはエルダを目覚めさせ、自分の望みを語る。神々の黄昏についてはラインの黄金で既にエルダが予言しており、ヴォータンも覚悟しているが、エルダの知恵を受け継いだブリュンヒルデが、ジークフリートとともに、この世(世界)に救いをもたらすことを望んでいる。
 ブリュンヒルデがジークフリートを受け入れるまでの、覚醒しない現実でない想念を語るのは、エルダとヴォータンの話が聞こえていたかもしれないと、先生は解読される。テクストの最後 ; をはさんで、ブリュンヒルデが、輝く愛、笑いかける死であると読むとのこと。最後二人のLeuchtende Liebe, lachender Todは、彼らの叫びであり、死んでも愛を遂げるという意味でなく、愛へ突き進む二人に、死(世界)が口をあけて笑いかけているいうなニュアンスではないかというお話だった。
 エルダの始原の知恵が、ブリュンヒルデに引き継がれ、世界に救いをもたらすというヴィジョンが記されていた。いつもながら、先生のお話は奥深く、興味をそそられた。(G)
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